不登校で友達もいなかった14歳の挑戦を経て、高橋素晴さんの現在は?

12/30日放送の日テレ「衝撃のアノ人に会ってみた!」で紹介されていた、14歳でヨット単独太平洋横断をした高橋素晴(たかはしすばる)さん。

当時は、中学校にはほとんど行かず、友達もいなかったそうですが、とにかく自分の好きなやりたいことに挑戦し続けた高橋素晴さんは、その後どんな生き方・暮らしをしているのでしょうか。

大変興味深く、調べてみたくなったので、今回nobicoで記事を書いてみることにしました。



高橋素晴さんの生まれと育ち

1982年生まれ。出身地は、新潟県白根市。14歳の時に55日間をかけてヨットで単独太平洋横断を行い最年少記録を樹立したとのことで、当時話題になりました。その当時のことは「それから―14歳太平洋単独横断」の本としても出版されています。

不登校気味だった中学を卒業後は、通信制高校へ進み大検に合格。卒業後、祖父が経営する自動車整備工場を経営を継ぎ、その後福岡工業短期大学に進学、卒業をされています。

子ども時代は、“屋外のひきこもり”

子どもの頃は、“ひきこもり”な少年。ただ、ひきこもりと言っても、その場所は、山や川ということで“屋外のひきこもり”だったそうです。

自然の中で過ごすのがとにかく大好きで、その中で生き抜いていく知恵を身につけたそう。

学校に行くことが嫌いで不登校気味、友達もほとんどいなかった少年時代でしたが、ご両親は本人のしたいことをさせようと考えて見守っていたようです。

学校は嫌いで行かなかったけれども、いろんな物を作るのが好きだったので、中学生の頃にはヨットや自転車などの物作りに夢中になり、結果ヨット単独太平洋横断にもつながります。

高校生の頃にはバイクや旅、エンジン修理や機械の構造の勉強に夢中になり、バイクで日本全国を走り回っていたそうですよ。

3歳の頃からカヌーを始め、小学生の頃からカヤックで佐渡海峡を横断したり、6年生の時には自転車で新潟県佐渡1600kmを16日間かけて一周したり、と幼い頃から、好きなこと・やってみたい事にとことんチャレンジして育ったことが伺えます。

ヨット単独太平洋横断の決意のきっかけは?

出典:www.kojiro.jp

ある日、ヨットの単独無寄港世界一周最年少記録保持者、白石紘次郎氏の講演を聞く機会があり、その時に、自分も太平洋を横断したいと決意したそうです。

人生って不思議です。この1度の出会い、講演会の機会を、若き少年の心を掻き立ててしまうのですから。何がきっかけになるかは、人それぞれわからないですが、それだけ、子どもの育ちの中で「機会」の体験が大切だということですよね。

現在は何をしてる?

20歳頃から環境問題を中心に社会問題に取り組み、「自然と暮らしをつなぐ」をキーワードに発信し続けています。
そして、26歳のときに、ナマケモノ俱楽部・博報堂・パナソニック・環境省のコラボの日本縦断環境教育プロジェクト『アースキャラバン2008』ローカルリーダーに。
26歳から、塩炊きをして販売する塩産業「天然塩釜元・黒潮農場を起業し、社長に。
27歳で、食育、自然体験や人材育成、特産品開発をするNPO法人アースハーバーの設立。
30歳、狩猟免許を取得。量販肉を買うのをやめ、アナグマや猪などを狩って食べるという生活を実践。魚も素潜りで捕獲。
31歳の時、自宅、工房、店舗を“セルフビルド”するため、技術と道具の獲得も兼ねて大工業もスタート。
33歳の時、美しい海を求めて、鹿児島県大隅半島へ移住。

出典:naturalhigh.jp

というすごい経歴です。

あまりにやっていることが多過ぎて、最近は説明しやすいとのことで”手づくりの暮らし研究家“として名乗られているそうです。

NPO法人アースハーバーってどんな活動?

有機的農的ライフスタイルの提案環境教育・自然体験・文化体験・ツーリズムなど体験教育の提供アドベンチャープロジェクトアートプロジェクト環境平和啓発普及など創造的な文化活動に関する事業を行い、共生的持続可能社会の創造に寄与することを目的としたNPO。活動場所は、鹿児島県

自然のめぐみ×文化力=豊かな暮らし”をテーマに、無人島合宿ツアー田舎暮らし体験火起こし魚の捌き方、鶏を解体して食べる、スタードーム、ストーブカマドの燃焼系道具の使い方などの幅広いワークショップを開催し、自然の恵みと人の暮らしを、学びと生産でつないでいく取り組みを行う活動をしています。

出典:yohoho.jp

木の間伐からみんなで手作りのツリーハウス

様々なフェスやイベント、ワークショップ等で、手作りのツリーハウスを作る活動もしています。

GOOD NEIGHBORS JAMBOREEグッドネイバーズ・ジャンボリー)」では、森の間伐材を使ってみんなでツリーハウスを作り、子どもから大人まで多くの人を魅了しました。みんなで木を間伐するところから始めるそうです!

解体されたツリーハウスは鹿児島県の知的障害者支援施設「しょうぶ学園」に移設されたりと、その後も子どもたちの遊びを豊かにしてくれています。

1日で完成の巨大「竹ブランコ」も話題

地上高、約3mまで達するブランコはまるで空を飛んでいるような気分になれるそうです♪
飛翔感と迫力満載のこの「竹のブランコ」は「ハイジブランコ」とも呼ばれていて、様々なアウトドアイベントやワークショップ等などで出展されています。

アーバンリサーチドアーズが開催するフェス”KNOCKING ON THE DOORS TINY GARDEN FESTIVAL“でも出展し、子どもたちにも大人気の遊具になっています。

作り方はとても簡単だそうで、1日で完成できちゃうということなので、驚きです。

廃材を使ったものづくりにもチャレンジ

親の教育方針は?

ヨット航海当時は、世間から「無謀」「親のエゴ」「記録狙い」など批判の声も多かったようですが、父、裕雄(やすお)さんが今回テレビで語っていた教育方針を聞いて、すごいなと思いました。

世間からの批判の声などは気にせずに、この親子は自分たちの「やりたいこと」「信念」を貫いていたんですね。

教育方針は、

  1. やりたい事はさせる
  2. 「できない」「ダメ」は言わない

だそうです。自分が親だったら、我が子を14歳でヨット単独太平洋横断など行かせる勇気ないだろうなと、自信持って言えます(笑)

それを、「ダメ」と否定せずに、「やりたい事はさせる」の信念で、行かせてしまう、その姿勢に脱帽です。

でも一つ間違えれば、命も失われかねないアドベンチャーに、チャレンジする子、そしてそれを見守る親、、、自分は到底出来ないけど、この親と子の姿勢に学ぶものは多くあるのかもしれない、とその後の生き方を見ても、深く考えさせられます。

フリースクールのサポートも

現在力を入れていることの一つに、2013年4月よりスタートした、鹿児島県姶良市にある森のフリースクール「楠学園」の校舎づくりと授業があります。

自分が若い頃、学校に馴染めない体験をしたことで、同じ境遇の子どもたちの心により寄り添うことができるのでしょう。

たとえ学校に行かなくても、自分の好きなことを貫き、チャレンジを続けて行くことで、自分の世界がどんどん拓けて行く。そんな環境づくりと道しるべを、ぜひ、これからも高橋素晴さんに続けていっていただけたらと、応援しないではいられないですね!