「典型的な4歳児は、2時間に1回嘘をつく」これ本当?

そして、6歳児は1時間に1回は嘘をつく!?

典型的な4歳児は、2時間に1回嘘をつく

ということが、様々な研究で分かっているそうです。

さらに、6歳児は1時間に1回は嘘をつくと言われているくらい、嘘をつくことが一番多い年齢と言われれいます。

そして、年齢が上がることにつく嘘の大半は、叱られないためにつく、罪の隠ぺい(つまりはパパママに嫌われたくない、愛していてほしいから!)だそうです。



嘘をつく子は頭が良い!?

子どもに嘘をつかれると、親としては、結構辛いですよね。悲しいし、怒りたくなるし、嘘をつく子になってしまったの?!とショックの方が強く感じるパパママが多いんではないでしょうか。

ただ、一方で、嘘をつくということは、それなりの言語能力・思考能力・記憶力が必要で、とても能力がいる作業だそうです。子どもの嘘に関する最先端の専門家であるVictoria Talwar博士によると、「嘘をつくことは、知性と関連がある」と述べています。

研究によると、IQの高い幼稚園児は、嘘をつくことが比較的多いそうです。また、2〜3歳くらいからの早い段階での嘘は、後々の人生における社交スキルとも関連しているということなので、少し驚きですね。

嘘はだめ!と全否定しがちなものですが、嘘をついたら「この子やりよるな」とちょっとその能力を(心の中で)褒めてあげる余裕があっても良いということです(笑)

6歳くらいまで「空想世界」の嘘をつきやすい

どうやら3歳〜6歳くらいの子どもは、想像力がとても豊かな時期なので、「嘘」と「真実」の間の境界線があいまいになるそうです。サンタクロース妖精を信じたり、ごっこ遊びが大好きなのも、そのせいです。リアルな世界と、想像の世界が入れ混じった世界に生きているのです。

このような空想を信じる傾向が強い時期は、子どもたちは自分がついている嘘を真実だと思い込んでいることがよくあるそうです。なので、親からみたら、なんでそんな事言ってんだ?嘘でしょう?と疑うことでも、子どもにとってみたら、「本当」ということも多いのです。

このような小さい頃の空想世界の嘘は、成長するについれて徐々に減っていきますので、何も心配することはありません。今は想像力や創造性が豊かな時期なんだと、「へえ、そうなの〜?いいわねえ♪」のような相槌で、微笑ましく見守っていけたらいいですね。

少し気にしたほうがいい「嘘」も

空想世界の嘘は、一緒に楽しんでればいいだけですが(笑)少し、気にしておいたほうがいい子どもの「嘘」もあるようです。

1つは、怒られたくない、嫌われたくない、という理由で、「自分を守るためにつく嘘」。

これだって、「自分を良く見せたい」「他人からの信頼を裏切りたくない。」と言う感情が芽生えてきた、成長の証の1つ。

こういう嘘をついたからと言って、パパママも落ち込む必要はありません。誰もが通る道です。

かと言って、その嘘を放置することがいいとも言えないようです。嘘をつくと、自分がなんとなく嫌な気分になる、嘘はよくないんだということを体験して学べる流れに持っていけると良いですね。

この場合は、なぜ子どもが嘘をついたのか、その理由をちょっと考えてみます。そして、多分怒られたくないからだな、と察知したら、嘘をついたことを咎めるのではなく、「あれ?でも、〇〇だよね〜?」と、なんとなく嘘がバレているような質問をしてみます。

そうすると、子どもも罪悪感が生まれ、正直に話し始めることも多いかと思います。

今朝、実際に、4歳の娘が、ママの「あれ、これやったの誰?」という問いかけに、うつむきながら「知らない」と嘘をつきました(笑)。絶対怪しい!と思った私は、「あれ、でも他にやった人いないみたいだよ」と言い返しました。そうすると、少しベソをかきながら、自分がやったことを吐き出してくれました。

理由を聞くと、「ママに怒られるから」と。正直に言ってくれた後は、褒めることも大事ですね。(今朝、あの後、ちゃんと褒めてあげたのか・・・、ちょっと心残りがある、今現在の自分ですが!)

多かれ少なかれ、こういうケースはよくありますよね。大事なのは、子どもが嘘をついた時の対応かもしれませんね。たまには感情に任せて怒っても悲しんでもいいかもしれません。ママパパだって人間なのですから。

嘘をつかれたら、悲しいんだよ、ということを見せることも、時には大事です。ただ、嘘をついた理由が「怒られたくないから」だとしたら、「また怒られた」に子どもからしたらなってしまうと思うので、やっぱり、極力「怒らずに」、正直に話す方向に話を持っていく、というやり方を心に留めておくと良いかもしれませんね。

愛情不足による「嘘」もある


愛情不足による、「オオカミ少年」の話にもあるように、実際は小さいのに「ボクのお家は大きな一軒家だよ」とか、実際はかっていないのに「犬を飼っているんだ」とか、真実ではないことを「まるで真実か」のように嘘をつき、周りの気を引こうとするような「嘘」は、ちょっと要注意してみてあげたいです。

こういった「当たり前のようにつく嘘」が多くなってきた場合は、子ども心に悪気がなく、単純に「愛して欲しい」、「寂しい」、「関心を持ってほしい」との心理からの嘘であることが多いと言われています。

もし、こういった嘘が子どもに見られるようになった場合は、その嘘一つ一つをどうこうしようとせず、その奥にある、「不安」「寂しさ」を埋めてあげることが、大切だそうです。

まずは、その子をありのまま受け入れ、これまで以上にたくさんの愛情とスキンシップをとってあげて、心から安心できる環境を用意してあげてください。今からでも遅くありません。

4歳まで9割が「嘘」を学び「嘘」をつく

心理学者によると、4歳までに、9割の子どもたちは嘘の概念を理解し、96%が嘘をつきながら成長していくそうです。これは発達上での「マイルストーン」と呼ばれていて、健全な脳の発達における重要な成長の1つであると考えられているそうです。

親にとってみたら、幼い子どもがつく「嘘」は、とてもショックな出来事だと思います。普通の人間関係でも、人から嘘をつかれたら、傷つきます。それが我が子からつかれた「嘘」は、普通に悲しいと感じやすいし、子どもに「嘘をつく人になって欲しくない」という思いで、厳しく叱りがちになると思います。

けれど、このように、子どもが嘘をつくことは、発達段階でのごく普通の成長だと捉えることができれば、もう少し寛容に受け止められそうですね。

また、親の子への接し方を見直すチャンスにもなります。子どもの「嘘」は様々は成長の発見や親子の関係性をより深めるものになると捉えて、前向きに捉えていきたいものです。

大人よりも子どもの方が「嘘がダメ」と知っている(笑)

クイーンズランド大学のキャンディダ・ピーターソンの研究と実験の結果、嘘に対しても嘘をついた人に対しても、大人よりも子どもの方がはるかに不寛容ということがわかったそうです。

大人よりも子どもの方が「嘘は悪いこと」「嘘つきは悪い人」と思っている傾向が強いのです。そして、子どもはその後成長する中で、「嘘は絶対ついてはいけない」という捉え方から「状況によってはついていい嘘がある」という捉え方に変わっていくそうです。

7歳以降に嘘をよくつく場合は、嘘をつく習慣が長引く可能性も

6歳頃が一番嘘をよくつく、と前述しましたが、この頃に多くの嘘をつき、多くの「反省」と「罪悪感」を感じることによって、それ以降はあまり嘘をつくことがなくなっていくようです。

(上で言う、「反省」と「罪悪感」は、親が怒る「脅威」によって発生するものではなく、「親を悲しませた」と言う、嘘をついたことで感じる「申し訳なさ」から発生する感情です)

一方、7歳以降になっても相変わらず嘘をつく子は、その後、嘘をつく習慣が長引く傾向があるそうです。これは3分の1に該当するそうです。

恐怖感は役に立たない


海外で有名な話で、「ジョージ・ワシントンと桜の木」と言うのがあります。

子供の頃、ある日ワシントンは新しい斧を手に入れました。
新品の斧を使ってみたくて、ついついワシントンはお父さんの大切にしていた桜の木を切ってしまいます。怒られると思いながらも、ワシントンは正直に「僕がやりました」と言います。

するとお父さんは怒ることはなく「お前が正直に話してくれたことは、1000本の桜の木よりも価値があるよ」と言ってくれたのです。

というお話です。この話には「正直に話すことの大切さ」が教訓としてありますが、この話を子どもに聞かせると、その後少年の場合は75%、少女の場合は50%嘘が減少したそうです。

逆に、嘘をついたことで最後にひどい目にあったと言う結果の「オオカミと少年」を読み聞かせた結果、調査の結果、オオカミ少年の話では子どもの嘘は減らず、むしろ少し増えるくらいだということがわかったそうです。

正直に話したら褒められた、という体験を子どもに

なぜか。それは、「嘘をつくのは悪いこと」だということは、大人がいちいち説明しなくても、怒らなくても、十分わかっているのです。わかっていながら、子どもなりのいろんな理由で「嘘をついてしまう」。

でも、「正直に話すこと」が「素晴らしい」こと、だという事例を、あまり体験していないことが多いのです。正直に話したことで、「褒められた」体験をたくさんすれば、正直に話すことがいいことなんだと、知ります。新たな発見をするのです。

嘘をついて怒られる、の繰り返しでは、その発見は得られません。「ジョージ・ワシントンと桜の木」という話では、正直に話すことで相手が褒めてくれるという発見が子どもたちにはあったのです。

ぜひ、参考にしてみたいですね!